和装の基本知識

羽織紐の結び方|こま結び・叶結びの手順と付け方・外し方

羽織紐の結び方|こま結び・叶結びの手順と付け方・外し方 | Erii 和装小物店

秋に羽織を手に入れたものの、羽織紐をどう付けてどう結ぶのか迷っていませんか。この紐は、羽織の衿にある「乳(ち)」という小さな輪に付けて、前で結びます。付け方は「直付け」と「鐶(かん)付け」の2通りです。結び方は、短い紐ならこま結び、長い紐なら蝶結びとAll About「羽織紐の基本」(2013年10月18日更新)で紹介されています。

この記事では、着物店などが公開している解説をもとに、付け方、結び方の手順、外し方としまい方を順にまとめました。

✎ 作家Eriiの体験から

Erii 和装小物店を営む作家のEriiです。子育てママ作家で、娘の七五三と、友人の成人式のヘアメイクのお手伝いをきっかけに、和装小物の世界にのめり込みました。帯揚げや帯締め、重ね衿などの和装小物を制作・販売しています。

羽織紐とは|羽織の前を留める紐と「乳(ち)」

パールをあしらった白とピンクの組紐と、房のついた緑の組紐を木のトレーに並べた画像
組紐を並べたイメージ画像です(実際の商品ではありません)

羽織紐とは、羽織を着たときに胸元が開かないよう、前を留めるための装飾的な紐のことです(きものレンタリエ)。羽織は洋服でいうジャケットやカーディガンに近い存在で、羽織紐の最も基本的な役割は前を留めることだときもの永見は解説しています。

紐を通す「乳」は、羽織の左右の衿についた小さな輪です(OPENERS、穂積和夫さんの連載・2015年4月8日)。京都きもの工房の羽織の着付け解説でも、乳は羽織紐を取り付ける輪っか状の部分とされています。

羽織紐は、江戸時代から使われるようになったといわれます(銀座もとじ)。

羽織紐の形はいろいろ

きものレンタリエは、羽織紐を形と取り付け方で次のように分けています。

  • 丸組み:紐が丸く組んであるもの
  • 平打ち:紐が平らなもの
  • 無双:とんぼ玉や天然石などを紐に通したもの
  • 直付け:羽織に直接紐を通して取り付けるもので、ストラップの要領で使うもの
  • 鐶付け:金具を用いて取り付けるもので、マグネットタイプやアクセサリー感覚で楽しめるものも多い

長さは18〜22cm程度が目安とされています(きものレンタリエ、きもの永見)。

付け方は2通り|乳に直接付ける方法と、鐶(S環)で留める方法

ハンガーに掛けた羽織の左右の前を、短い組紐でつないだ画像
羽織の左右の衿を羽織紐でつないだイメージ画像です(実際の商品ではありません)

All Aboutでは、羽織紐はあらかじめ取り付けてからはおると紹介されています。

付け方 やり方 出典
直付け 乳に羽織紐の「輪」を通し、輪の中に紐を通して取り付けると紹介されています。 All About(2013年)
鐶付け S字鐶などの金具を、乳に引っかけて留める方法です。 All About(2013年)、京都きもの工房

All Aboutでは、直付けのほうが見た目がすっきりして、抜け落ちる心配がないのでおすすめと紹介されています。どうしても乳に通すのが難しい場合は、鐶を利用してもよいそうです。

乳はごく小さいため、紐の一端の輪(ツボ)がある程度長めでないと固定できない、とOPENERSは説明しています。直付けに迷ったら、まず輪の長さを見てみてください。

鐶で留める無双羽織紐の手順

All Aboutでは、無双羽織紐は輪の部分が小さめで、鐶を使って乳に取り付けると紹介されています。鐶はS字鐶が主流で、ネックレスなどに使う「ヒキワ」や「カニカン」という金具が付いたものもあるそうです。

  1. どちらか片方の乳に、鐶を付けておきます。
  2. 羽織をはおります。
  3. もう片方の乳に鐶を通して留めれば完了です。

結び方|こま結び・叶結びの手順と、蝶結びのコツ

結び方の名前は出典によって少しずつ違うため、出典ごとに分けて紹介します。

All Aboutでは、はおってから長さに合わせて結ぶとされ、短い紐はこま結び、長い紐は蝶結びにすると紹介されています。ちなみにi KIMONO(鈴花)によると、最も一般的で美しい結び方は「ちょう結び」です。

こま結びの手順(きものレンタリエ)

  1. 着物と同様に、紐の左側を上にして交差させ、交点にかけます。
  2. 右を輪にくぐらせます。
  3. 結び目の真ん中をきれいに整えて完成です。

叶結びの手順(きものレンタリエ)

  1. 左右の紐を二つ折りにしてから交差させ、左を輪に通します。
  2. 続いて右も輪に通します。
  3. 結び目をきれいに四角く整えて完成です。

叶結びは、石畳み、市松結びともいうときものと悉皆 みなぎは紹介しています。軽快な着物に合わせるときは、平紐で結ぶとおしゃれだそうです。同じページには、細くて長めの紐ならもろなわ結びや藤結びもあると書かれています。

蝶結びのコツ

i KIMONOによると、結び目は体の中心に合わせ、ふっくらと結ぶと上品な印象になります。

結ばないタイプ|無双・クリップ式・マグネット式

結ぶのが苦手でも、選べる羽織紐はあります。きもの永見は、結ぶ必要がなく簡単に付け外しできるものがあると紹介しています。

  • 無双タイプ:結ぶ必要のない一本仕立てです(銀座もとじ)。
  • クリップ式:乳にクリップで挟むだけで装着できます(きもの永見)。京都きもの工房の説明では、取り付ける位置は羽織の乳の部分の上です。
  • マグネット式:乳に紐を通したあと、中央のマグネットチャームを合わせるだけで装着できます(きもの永見)。

男性の羽織紐について、銀座もとじは3つに分けています。房のあるものはフォーマル・セミフォーマル向き、房がないものはカジュアル向き、もう1つが無双です。

脱ぐとき・しまうときの扱い

All Aboutでは、脱ぐときは結び目を解いてから、と紹介されています。さりげなく結び目をほどいて羽織を肩から滑り落とす脱ぎ方が見た目にも格好がよい、というのがOPENERSの説明です。

鐶で留める無双羽織紐の場合は、どちらか片方の乳から鐶をはずして脱ぐ、とAll Aboutにあります。

しまうときは羽織紐を羽織から取りはずそう、とAll Aboutは勧めています。着るときに羽織紐の跡がくっきり付かないように、という理由だそうです。

羽織紐以外の小物の保管は、梅雨どきの和装小物のお手入れと収納もあわせてご覧ください。

男性の羽織紐の扱い(補足)

男性の羽織紐は、あらかじめ結んだものにカンを付けて脱ぎ着するのが普通です。結び終えたら、先端の房が自然に前を向くよう整えると収まりがよいとされています(きものと悉皆 みなぎ)。OPENERSも、初めからきちんと結んであってほどかない場合は、小さなS環で乳と紐をつなぐと説明しています。

羽織を着る季節と、礼装の羽織紐の色

羽織が最も活躍するのは、主に秋から春にかけてです。裏地付きの羽織は、10月〜5月頃の袷(あわせ)の季節に使われます。ただし羽織はコートのように明確な着用時期の決まりはなく、その日の気温や体感に合わせて着てよいとされています(i KIMONO)。

夏は、透ける素材の羽織にパールやガラスなどキラリと光る羽織紐を合わせると、涼しげな印象になるそうです(きもの永見)。

礼装の羽織紐の色

i KIMONOは、羽織は略礼装やお洒落着と位置づけられるため、結婚式では原則避けるのが慣例と説明しています。一方、男性の紋付の羽織袴は、結婚式などの改まった席の礼装でも着られます。以下は、男性の礼装の羽織紐について書かれた解説です。

  • 男物の羽織では、慶事の礼装用には白の羽織紐を使い、正式には丸組みの白とされています。弔事(お悔やみの席)用は白でなく、ねずみ色です(京都きもの工房、2008年9月8日)。
  • 男性の羽織袴では、結婚式など改まった席の礼装に大きな房のついた羽織紐を用います。黒紋付は白が基本で、色紋付は白または白に近い色です。紋なしの羽織袴なら、何色でもよいとされています(銀座もとじ)。

羽織の日の帯まわりに|Erii 和装小物店のレース×パールの帯締め

ここからは羽織紐ではなく、羽織の下の帯まわりの話です。Erii 和装小物店で扱っているのは帯揚げ・帯締めなどで、羽織紐ではありません。羽織を脱いだときにも見える部分なので、ご紹介します。

商品ページでは、和洋折衷スタイルで、いつもの和装をワンランクアップと紹介しています。

帯締めの一覧は、カテゴリの帯締め・飾り紐ページからどうぞ。結び方は帯締めの結び方、色合わせは秋の帯留め・帯揚げの色合わせ、帯揚げの種類や選び方は帯揚げの基本ガイドの記事をご覧ください。

Erii 和装小物店のメルカリショップでも販売中です。

よくある質問

羽織紐の長さはどのくらいが目安ですか?

一般的には18〜22cm程度が目安とされています(きものレンタリエ、きもの永見)。

こま結びと蝶結びは、どう使い分けますか?

All Aboutでは、短い紐はこま結び、長い紐は蝶結びと紹介されています。

結ぶのが苦手な場合は?

結ばずに付け外しできる、クリップ式やマグネット式、無双タイプがあります(きもの永見、銀座もとじ)。

羽織は夏にも着てよいですか?

羽織はコートのように明確な着用時期の決まりはなく、気温や体感に合わせて着てよいとされています(i KIMONO)。

まとめ

羽織紐は、付け方(直付けか鐶付けか)と、紐の長さに合う結び方を押さえれば迷いにくくなります。

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この記事を書いた人:Erii

「Erii 和装小物店」作家。子育てママ作家です。娘の七五三と、友人の成人式のヘアメイクのお手伝いをきっかけに、和装小物の世界にのめり込みました。「和装をもっと気軽に、カジュアルに可愛く!」をモットーに制作しています。

※本記事は一般的な情報提供を目的に、着物店・着物レンタル店などの公開情報を整理した内容です。羽織紐の付け方や結び方は商品の形によって異なるため、お手持ちの羽織紐の説明もご確認ください。

最終更新: 2026年10月29日/詳しくはプライバシーポリシー・免責事項・運営者情報をご覧ください。

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